インドでの日本のアニメ・マンガ。オタク文化の現状レポート

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インドの首都・ニューデリー付近 メインバザール

臼井です。

長かった東南アジアを離れて、ついにやってきたインド。

これまで東南アジアで出会ったインド経験のあるバックパッカーには、「インドってアニメとか漫画みたいなオタク文化ってありそうですか?」っていう質問をいつもしていたんだけど、

「あの国にアニメだの漫画だのなんてものが存在してるなんて想像もつかねぇ…。」

ってみんな口を揃えて言ってた。

僕「なるほどなぁ。じゃあ僕が胸を張ってインドにもオタク文化はあるで!って言えるようにリサーチしてこようじゃないの!」

なんて意気込みながらインドに入国し、過ごすこと約3週間。

びっくりするほどオタク文化は存在していなかった。

『ONE PIECE』や『NARUTO』ですら知られているかちょっと怪しいレベル。
もちろん知ってる人もいるけど、イメージとしてはこれまで会ってきたアジアのコアなオタクが、インドでは『ONE PIECE』とか『NARUTO』をやっと知っているという層にあたるイメージ。

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一度、国際交流基金が主催するアニメ好きが集まるイベントに参加してきたんだけど、そこに集まっていた人も、99%が『ポケモン』『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』に加え、『NARUTO』『ONE PIECE』『BLEACH』といった一部の世界的に有名なジャンプの系の作品を知っているというのが現状。

もちろんアニメグッズなんかを扱っているお店は1店舗もないし、ゲーセンとかだってない。(一部ECサイトで販売している企業、またゲーセンのような場所はあったけど。)

イベントはという、実はそれなりに開催している。
が、蓋を開けてみると、そのイベント自体もアメコミ系が主体のイベントがほとんどで、そこに日本のアニメや漫画が少量売られてるするというのが現状。イベントスペースの割合で言ったらアメコミ、日本のアニメの割合が大体9:1くらいらしい。

以上、インドにオタク文化はない!はいじゃあ次の国!!

というわけにもいかないので、今回は、何故インドにはまだまだオタク文化が根付いていないのかを僕なりに分析したいと思う。

理由その1. ネット環境がまだ全然整っていない。

一般的なイメージとして、インドは「IT先進国」なんて聞くから、てっきり一般家庭や街のWiFiなどネット環境が整っているものかと思ってたけど、実際のところびっくりするほどネット環境が悪い。考えても見れば、13億人近くの人が住む世界第二位の人口を抱える国なのにも関わらず、一人当たりのGDPが4,060ドルってことを考えれば、一部のIT成功組がそのイメージを作ってるってことくらいわかるんだけど。

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実際に調べてみると、現在の12億8600万人の人口に対して、2014年時点でのネット普及率は18%。2億3000人程度ということになる。

参照:世界のネタ帳
http://ecodb.net/country/IN/it_net.html

また普及していたとしても、基本的に一般家庭への無制限通信プランなんかを提供してるプラバイダーはまだないらしい。
つまり、アニメに限らずネットで動画を視聴するってこと自体にまだまだ難ありっていう。

理由その2. アニメは子供のものというイメージが強い

僕が高校時代に住んでいたオーストラリアでもそうだったけど、アニメ=子供のものという認識が非常に強いと感じた。個人的な推測だけど、その認識を強くしている背景に、インド映画があるんじゃないかなと思ってる。インドでの映画人気は本当に凄まじく、ちょっとデータが古いけど2012年には、実に日本の3倍の年間1600本もの映画が作られている。

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参照:The Statistics Portal
http://www.statista.com/chart/2680/the-indian-film-industry/

一つの街のショッピングエリアに映画館が2つ以上あったりするし、上映している映画も週ペースでどんどん変わっていく。それくらいみんな映画を頻繁に見ていて、それだけエンタメコンテンツが満たされている。そんな中で、インド国内で比較的認知度高いアニメというのは、『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』といった子供向けのものばかり。そういったアニメのイメージが先行していて、大人になるにつれて、アニメへの関心は薄れて、映画へとどんどんシフトしていってしまう。故にまだまだアニメ=子供のものという認識が強い。

んだと思う。

理由その3. そもそも外来品を流通させにくい

なにやらインド国外の資本が1%でも入った企業が実店舗を構えてビジネスするには、インドのインフラ整備だとかに数億円規模の出資をしてからじゃないと営業してはいけないらしい。EC販売のみとかの場合はセーフだったはず。

実際に街を歩いてみても、日本だったら「SUZUKI」や「HONDA」といった自動車企業、アメリカだったら「マクドナルド」や「スターバックス」といった、莫大に出資できるような企業しかインドには店を構えていない。

まぁこの辺のビジネスチックなことは、僕もあんま理解してないから話半分で聞いといて。

そんな状況なこともあって、なかなかアニメや漫画、その他周辺グッズもなかなか流通させることができない。

ざっくりだけど、ここらがまだまだオタク文化が根付いていない大きな理由だと思う。
日本のアニメや漫画なんかがある程度知られるまでには、まだもう少し時間がかかりそうといった印象。

さて、ここまでインドにはアニメや漫画といったオタクカルチャーは全くないということを書いてきたわけだけど、実は一部例外的な地域が存在しているという。
自分が実際に足を運んで見に行ったわけではなく、人伝てに聞いた情報だけど。

その地域とは、バングラディッシュやブータン、ミャンマーに囲まれたアッサム、メガラヤ、ミゾラムといったインド北東部一帯。

どこかっていうと、

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この辺。
この辺のこと、勝手にインドでもバングラでもブータンでもミャンマーでもない謎の地域だと思ってた。(小声)

一部例外というのも、このインド北東部に住む人たちは、ほとんどインド系の人じゃないらしい。チベット人や、ミャンマーなど東南アジアから来た多くの人が住んでいるらしく、逆にインド系の人種の方が珍しいくらいとのこと。

この地では、アニメが盛んなのはもちろん、日本の映画や韓国ドラマといったアジアのエンタメが全体的に流行っているらしい。

そこで行われたアニメ系のイベントの写真を見せてもらったけど、『NARUTO』や『ONE PIECE』といったメジャーコンテンツだけでなく、『ボーカロイド』や『灼眼のシャナ』といった作品のコスプレをしている人が何人も確認できた。

とまぁ長くなったけど、これがインドのオタク文化の現状ってところだと思う。

インド編、つづく。

まとめ

8月11日〜8月16日 インド ニューデリー

オタ活充実度:30/100

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